花信風(読み)カシンフウ

デジタル大辞泉 「花信風」の意味・読み・例文・類語

かしん‐ふう〔クワシン‐〕【花信風】

花の咲くのを知らせる風。初春から初夏にかけて吹く風をいう。
二十四番花信風

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精選版 日本国語大辞典 「花信風」の意味・読み・例文・類語

かしん‐ふう クヮシン‥【花信風】

〘名〙
① 春さき、花の開くことを知らせる風。初春から初夏にかけての風をいう。〔演繁露‐巻一・花信風〕
小寒から穀雨に至る八気二十四候の各候にはそれぞれ新たな風があるとし、それに応ずる花をあてたもの。花信のかぜ。二十四番花信風。花信。
※羅山先生詩集(1662)一六・和試筆韻与荒木祐章「煙霞新出曙雲空、始是一番花信風」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「花信風」の意味・わかりやすい解説

花信風
かしんふう

(1)春の初めに花の開くことを知らせる風のこと。

(2)二十四節気のうちの小寒から穀雨(こくう)までの八気二十四候をいい、各候には新たな風が吹くとして、その風に対する花をあてた。二十四節気は太陽年を太陽の黄経に沿って24等分し、その等分点に季節を示す語を名づけたもの。中国で定められ、立春、雨水、啓蟄(けいちつ)、春分、清明、穀雨、立夏小満芒種(ぼうしゅ)、夏至小暑大暑立秋処暑白露秋分寒露霜降立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒と名がつけられている。そのうちの八気にそれぞれ初候から三候に三つの花をあて、全体で24の花を配し、それが風に応ずる花とした。この語は中国から日本に伝わり、文人墨客の作詩のなかにみられる。

[芳井敬郎]

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改訂新版 世界大百科事典 「花信風」の意味・わかりやすい解説

花信風 (かしんふう)

春さきに花が開くことを知らせる風。中国ではおそくとも宋代ころまでに二十四番花信風が定められていたが,これが日本に紹介された。それによると,小寒から穀雨にいたる八節気二十四候にそれぞれ咲く花がありそれに対応する風があるとした(表参照)。
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百科事典マイペディア 「花信風」の意味・わかりやすい解説

花信風【かしんふう】

花信の風とも。一般には花の咲くころに吹く風。特別には中国伝来の〈二十四番花信風〉。これは二十四節気(節気)の小寒から穀雨までの八気をそれぞれ三候に分け,各一候の風に花の名を冠したもの。1番が梅花の風,24番が楝花(おうち)の風で,これが終わると初夏になる。

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