《風来六部集》(読み)ふうらいろくぶしゅう

世界大百科事典(旧版)内の《風来六部集》の言及

【狂文】より

…江戸の山崎北華の《風俗文集》(1744)や大坂の田中友水子の《風狂文草》(1745)は,俳文集ではあるが,風雅に縁遠い卑俗な素材をふざけた調子で記述する文章に託して,知識人らしい強い自我を表しており,通常の俳文の枠を越えている。これらの作品が先駆となって,和文体の狂文が定着し,やがて平賀源内の《風来六部集》(1780)のような,自虐と社会批判に満ちた作品が生まれた。狂詩【日野 竜夫】。…

【平賀源内】より

…生活に窮した彼は,みずから〈貧家銭内〉と称して磁針器,平線儀,火浣布(かかんぷ),寒暖計,菅原櫛,金唐革(きんからかわ),エレキテルなどの細工物を作って急場をしのいだ。【佐藤 昌介】 文学者としては小説《根南志具佐(ねなしぐさ)》《風流志道軒伝》,狂文集《風来六部集》,浄瑠璃《神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)》などの著作をし,その多方面の活躍で有名になった。早くから西洋文化に注目し,杉田玄白,司馬江漢,中原中良,小田野直武その他の人に刺激を与えた。…

【放屁論】より

…江戸中期の本草学者,戯作者平賀源内の戯作の一つ。本編1774年(安永3),後編77年の刊で,80年には源内の他の戯作4編と合わせて《風来六部集》として刊行。本編では放屁を見せ物にして人気のあった江戸両国橋の芸人を素材にして,また後編ではエレキテルを発明した浪人貧家銭内の口を通じて,創造性のない停滞した身分制社会の諸側面を鋭く批判している。…

※「《風来六部集》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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