《養生論》(読み)ようせいろん

世界大百科事典(旧版)内の《養生論》の言及

【嵆康】より

…その妥協を許さぬ批判精神は為政者の憎悪の的となり,ついに死刑に処せられた。人が神仙となる可能性について論じた〈養生論(ようせいろん)〉や,音楽の哲学的原理を分析した〈声無哀楽論〉など,魏・晋の老荘哲学を代表する多くの論文を著した。〈山巨源(さんきよげん)に与えて交わりを絶つ書〉は,自己を赤裸々に告白した散文の名作。…

【仙人】より

…もっとも,人間がはたして仙人になれるものかどうかについて議論がなかったわけではない。魏の嵆康(けいこう)の《養生論》は,正しい養生の方法によって1000年や数百年の長寿が得られることは認めながらも,不死の仙人になることはとてもできないと論じている。仙人は自然から特別にすぐれた〈異気〉をさずかった存在だと考えたからである。…

【養生】より

…《荘子》には〈養生主〉の1編があり,天理の自然にしたがうことが養生の秘訣であると説かれている。魏の嵆康(けいこう)の《養生論》は,精神を養う〈養神〉と肉体を養う〈養形〉の両面から養生を論じ,正しい養生の方法によって千年,数百年の寿命を得ることも可能だと考えた。〈養神〉の方法としては,老荘の哲学にもとづいて愛憎憂喜の感情を心にとどめずに体気を和平ならしめること,〈養形〉の方法としては,神仙家の説にもとづいて〈吐故納新(とこのうしん)〉とよばれる呼吸術や〈服食〉とよばれる仙薬の服用その他の食餌法が重視されている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」