世界大百科事典(旧版)内の《高祖大師秘密縁起》の言及
【空海】より
…鎌倉期には,これらの諸伝を基として各種の大師絵伝が制作される。その成立には確実な説はないが,梅津次郎によれば,13世紀半ばに《高祖大師秘密縁起》《弘法大師行状図画》が成り,1374年(文中3∥応安7)には東寺において《弘法大師行状記》が成立する。南北朝期以降は,上記大師伝の物語化,注釈化が行われる。…
【弘法大師絵伝】より
…鎌倉時代には各宗の祖師の伝記絵巻が隆盛したが,その風潮の中でこの絵伝も13世紀ころから真言宗寺院の教化の具として大いに流布した。《高祖大師秘密縁起》10巻(13世紀半ば),《高野大師行状図画》6巻(1272ころ),同10巻(1319ころ)の3系統はいずれも原本は失われ,後世の転写本や版本が多数のこる。一方,東寺所蔵の《弘法大師行状絵巻》12巻は,高野山の系統をひく前記諸本のほか各種伝記を集大成したもの。…
※「《高祖大師秘密縁起》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」