《黒い雪》(読み)くろいゆき

世界大百科事典(旧版)内の《黒い雪》の言及

【映画検閲】より

…日本の〈映倫(映画倫理規程管理委員会)〉もその一つで,日本映画の倫理性を業者自身の手で自主的に保つため,アメリカのプロダクション・コード(映画製作倫理規定)を参考として,日本映画連合会が制定した〈映画倫理規程〉を運営するため,1949年に創立された。映倫は民間団体であるため法的権力はもたず,そのため,55年にアメリカ映画《暴力教室》公開の際にアメリカ系映画会社の映倫非協力が世間の非難を浴びたり,65年,武智鉄二監督《黒い雪》が映倫の審査に合格しながら警視庁の介入を受けたり,同じように〈日活ロマン・ポルノ事件〉で映倫も共犯として警視庁から取調べを受けたりするという事態も起こっている。【広岡 勉】。…

【猥褻】より

…なお,1995年刑法の表記現代化により,従来の〈猥褻〉は〈わいせつ〉と改められた)と映倫審査の関係も問題がある。映倫審査を通過して一般映画館で上映されたのに猥褻物として摘発された映画《黒い雪》事件で,東京高等裁判所判決(1969)は,社会的に高い評価を受けていた映倫審査といえども,裁判所が社会通念を判断する一資料にすぎないとして,有罪判決を下した。 猥褻な表現物の規制には,関税定率法によるいわゆる税関検閲も関連する。…

※「《黒い雪》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」