アガニッペ(読み)あがにっぺ

世界大百科事典(旧版)内のアガニッペの言及

【ムーサ】より

…彼女たちはアポロンとサテュロスの笛の名手マルシュアスMarsyasの音楽競技の審判役をつとめたほか,彼女たちに技競べを挑んだトラキア地方の音楽家タミュリスThamyrisを負かして,その視力と音楽の技を奪ったなどと伝えられるが,固有の神話は少ない。崇拝の中心地はピエリアとボイオティア地方のヘリコンHelikōn山で,ヘリコン山にあるニンフのアガニッペAganippēの泉と天馬ペガソスのひづめが打ったあとから湧き出たというヒッポクレネHippokrēnēの泉は,詩人の霊泉として有名であった。のち帝政期のローマで彼女たちのおのおのに職掌とする領域が定められ,だいたいのところ,カリオペKalliopē(ラテン名Calliope)は叙事詩,クレイオKleiō(ラテン名クリオClio)は歴史,エウテルペEuterpēは抒情詩,タレイアThaleia(ラテン名タリアThalia)は喜劇,メルポメネMerpomenēは悲劇,テルプシコレTerpsichorēは合唱歌舞,エラトEratōは独唱歌,ポリュヒュムニア(ポリュムニア)Polyhymnia(Polymnia)は賛歌,ウラニアUraniaは天文をつかさどるとされている。…

※「アガニッペ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android