世界大百科事典(旧版)内の《アシュターディヤーイー》の言及
【カーティヤーヤナ】より
…前250年ころの人。サンスクリット文法学の最初の成果であるパーニニの《アシュターディヤーイー》に対する注解《バールティカ》を著した。しかしそれは単なる祖述にとどまらず,言語的慣用の変化に即し,選択的に(パーニニの1/3だけあつかう),批判的に師主の規則を吟味,解明し,補足的に規則を改善し,まれにはこれの誤りを指摘している。…
【パーニニ】より
…古代インド,前5~前4世紀の文法学者。通常《パーニニ文典(文法)》の名で知られる《アシュターディヤーイーAṣṭādhyāyī(八章編)》の著者。彼はベーダ語(ベーダの時代に用いられていたサンスクリットの古語)の用例を顧慮しつつ,〈文法を学ばずして,正しい語法をわきまえた人士〉の言語使用に範を取り,その当時西北インドに〈話し言葉〉とされていたインド・アーリヤ語に規矩を与え,サンスクリットをインドの文章語,雅語,聖語として定着させた。…
【文法学派】より
…ベーダ聖典研究としての語源学の先駆者としては前500年ころにヤースカが現れて《ニルクタ》を著した。現存する最古の文法学書は前5~前4世紀に活躍したパーニニの《アシュターディヤーイー》(別名《パーニニ・スートラ》)である。この書はきわめて巧妙かつ簡潔に文法の規則を構成したもので,現代の言語学者チョムスキーが生成文法を創案するにあたって有力なヒントをえたといわれる。…
※「《アシュターディヤーイー》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」