世界大百科事典(旧版)内のアベリー,T.の言及
【アニメーション映画】より
…UPAのグラフィックな手法は,《八十日間世界一周》や《悲しみよ今日は》等々数多くの映画のタイトル・バックのアニメーションで知られるソール・バスをはじめ,ロバート・ブリア,スタン・バンダービーク,カーメン・ダビーノらの仕事に受け継がれているが,その一方では〈動き〉を省略する技術だけが,高騰する人件費の節約のためにのみ安易にテレビ時代のアニメに引き継がれた。 戦時中に隆盛を極めた暴力と破壊のギャグに満ち満ちた劇場用短編アニメは,狂気の極限ともいうべきテックス・アベリーの作品群(《太りっこ競争》1947など)を頂点とし,次いでフリッツ・フリーレングのパントマイム漫画《ピンク・パンサー》シリーズ(1964‐69)を最後に衰退していく。 70年代に入って,ラルフ・バクシがポルノと暴力というアクチュアルな要素をとり込んだ,おとな向けの《フリッツ・ザ・キャット》(1972)や,登場人物のライブ・アクション(実写)をグラフィックに処理して,新しい映像効果をねらった〈ロートスコーピング技法〉による《指輪物語》(1978)などで試行錯誤を重ねつつも長編アニメに挑戦している。…
※「アベリー,T.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」