世界大百科事典(旧版)内のアメリカの家の言及
【ラテン・アメリカ文学】より
…バルセロナを中心にしたスペイン出版業界の積極的な支援という要因も忘れるわけにはいかないし,さらに,59年に独裁者バティスタを倒して社会主義政権を樹立させたキューバ革命によって与えられた,好ましい刺激も見のがすことはできない。革命に対立するもの以外はすべて可とする寛大な文芸政策を打ち出したカストロ政権は,文化機関である〈アメリカの家〉の創設や同名の文芸誌の発刊を通じて,互いに孤立していた大陸全体の作家たちの交流を増進すると同時に,それ以後に目ざましい活躍をみせることになる新人たちを多数送り出したのである。 植民地的な遺制からの脱却の可能性を示すことによって,ラテン・アメリカの人々,とりわけ知識人らの精神を高揚させたキューバ革命の成功と符節を合わせたかのように,60年代の初めから次々に傑作,秀作と呼ぶべきものが発表されだした。…
※「アメリカの家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」