アントニニアヌス銀貨(読み)あんとににあぬすぎんか

世界大百科事典(旧版)内のアントニニアヌス銀貨の言及

【カラカラ】より

…彼は第二のアレクサンドロス大王をめざし,ゲルマニアや東部属州地域への外征を繰り返した。そのため,国家財政は危機に陥り,品位の悪化したアントニニアヌス銀貨を発行して急場をしのいだので,この銀貨の改鋳は3世紀のインフレ政策のモデルとなった。彼は元老院階層に敵対したが,下層民には好意的であり,精力的な浪費家ぶりは恩恵に浴した兵士や民衆の人気を博した。…

【ローマ】より

…このため,デナリウス銀貨は流通手段の主役を果たしながらも,名目価値と実質価値との乖離(かいり)によって,アウレウス金貨とデナリウス銀貨との間には強制的な交換関係が設定されるに至り,国家は3世紀中葉までこの関係を維持するように余儀なくされた。3世紀初頭から,デナリウス銀貨の品位改悪はさらに著しくなり,デナリウス銀貨に代わるアントニニアヌス銀貨も漸次的に量目・品位を下落させたので,3世紀後半には未曾有のインフレーションに陥り,この時期の政治的・軍事的混乱に加えて,経済危機が著しかった。このため,ディオクレティアヌス帝に続いて,コンスタンティヌス帝による通貨改革が断行され,312年ソリドゥス金貨が創設された。…

※「アントニニアヌス銀貨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android