世界大百科事典(旧版)内のアーカニエの言及
【ロシア】より
… 狭義のロシア人は言語や習俗の点で北部大ロシア人と南部大ロシア人,さらにその中間でボルガ川とオカ川に挟まれたモスクワを含む地域の中部大ロシア人に大別される。南部大ロシア方言の特徴の一つは〈アーカニエakan’e〉(アクセントのない位置の母音〈o〉を〈ア〉と発音する)で,北部大ロシア方言の〈オーカニエokan’e〉(同上の〈o〉を〈オ〉と発音する)と対立している。中部大ロシア方言は〈アーカニエ〉の点では南部方言に近いが,北部方言の特徴の一部を共有している。…
【ロシア語】より
…この言語を中期ロシア語Middle Russianと呼ぶ。すでに12~13世紀に古期ロシア語で生じたとの位置による脱落と母音o,eへの転化を反映して,中期ロシア語では閉音節が生じ,子音のいわゆる硬軟の対立と無声有声の対立が確立したほか,アクセントのない位置で母音oとaの区別がなくなるアーカニエakan’eの現象が生じ,また,文法面でも双数や呼格が消失し,動詞の時称形も現代の体系に近づくなど,すべてにおいて現代語の特徴が表れるようになった。 17世紀末に絶対主義帝政を確立したピョートル1世は,近代化の一環として18世紀初頭に文字改革を断行し,教会用図書以外はすべて新しく制定された33字母のアルファベットとそれによる簡便な正書法によって印刷すべきこととした(ロシア文字)。…
※「アーカニエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」