世界大百科事典(旧版)内のイオルの言及
【アイヌ】より
…和人諸豪族の館や和人集落の多くは,鮭の遡上する渡島(おしま)半島の主要河川の近くに立地していたが,河川流域の山野と河口に面した海はアイヌ民族の主要な生産・生活の場であり,アイヌ社会を基底部で支える政治的・社会的・地理的空間でもあった。河川を軸とした河川流域内のアイヌ民族の生産・生活の場,および河川流域に形成されたアイヌ民族の一定集団(河川共同体)の基本的な領域としての地理的空間をともにイオルと呼ぶが(後述[社会組織]の項参照),生産・生活の場としてのイオルと領域としてのイオルへの,館を核とした和人集団の侵入は,アイヌ民族の生産基盤を急速に破壊することとなった。そのため,アイヌ民族は,1457年(長禄元)のコシャマインの戦をはじめ以後16世紀半ばまで反和人の戦いをくりひろげた。…
※「イオル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」