世界大百科事典(旧版)内のイバネンコ,D.D.の言及
【素粒子】より
…すなわち,1932年にJ.チャドウィックは,α線をベリリウムにあてると,水素原子とたいへん強く相互作用をする,電気的に中性で陽子とほとんど同じ質量をもつスピン1/2の粒子が出てくることを発見した。同年W.ハイゼンベルクとソ連のD.D.イバネンコはそれぞれ独立に,原子核が陽子Z個とこの中性の粒子,すなわち中性子A-Z個とからできているとの考えを提唱した。こう考えると窒素の原子核は7個の陽子と7個の中性子からなり,スピンの困難も解決できるし,また電子は原子核の構成要素ではなくなるので,不確定性原理に基づく電子の困難も解決できる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」