世界大百科事典(旧版)内のインディオ保護法の言及
【ラテン・アメリカ】より
…植民地時代当初からエンコミエンダをめぐる闘争にみられるように,キリスト教化のためのみならず,国庫収入の安定を図るためにもインディオ保護の立場をとらざるをえなかった王室は,インディオを利用して最大の利益の獲得をもくろむ植民者と対立し,それは植民地時代を通じて変わらなかった。そのうえ,地理的隔りや交通・通信手段の未発達が原因で,王室の発布するインディオ保護法はしばしば無視される結果になった。王室は往々にしてそのような違反行為に目をつむったが,それは強力な植民者との対立を回避しようとしたためばかりではなく,インディオ保護法がときどき王室自身が求める目先の利益――戦費の調達や寄生的な貴族の維持費の確保など――に反したからでもあった。…
※「インディオ保護法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」