インド洋ダイポールモード現象(読み)インドヨウダイポールモードゲンショウ(その他表記)Indian Ocean Dipole/IOD

デジタル大辞泉 の解説

インドよう‐ダイポールモードげんしょう〔‐ヤウ‐ゲンシヤウ〕【インド洋ダイポールモード現象】

ダイポールモード現象

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵mini の解説

インド洋ダイポールモード現象

熱帯インド洋熱帯域で見られる気候変動現象。5、6年に一度程度の頻度で夏から秋にかけて発生し、各地に異常気象をもたらすことが知られている。同現象には「正」「負」の2種類があり、前者はインド洋熱帯域の東部で海面水温が平年より低く、西部で高くなる現象を指し、後者は南東部で海面水温が平年より高く、西部で低くなる現象を指す。「正のインド洋ダイポールモード現象」が発生すると、東アフリカで雨が多く、インドネシアオーストラリア周辺では雨が少なくなり、熱帯からの大気の変動を通して、日本では雨が少なく、気温が高くなる傾向がある。一方、「負のインド洋ダイポールモード現象」が発生すると、インドネシアやオーストラリアで雨が多くなり、熱帯からの大気の変動を通して、日本では雨が多く、気温が低くなる傾向がある。2019年、過去最大級に匹敵する強い正のダイポールモード現象が発生した。気象庁の異常気象分析検討会は20年3月、19年末から20年初頭の記録的な暖冬について、同現象が要因であるという分析結果を発表した。

(2020-4-21)

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