改訂新版 世界大百科事典 「ウィルソン霧箱」の意味・わかりやすい解説
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…イギリスの物理学者。1888年にケンブリッジのシドニー・サセックス・カレッジに入学,92年学位を得たのちキャベンディシュ研究所でJ.J.トムソンの研究生となる。1925‐34年,ケンブリッジのジャクソン教授職。1894年にB.ネビスの気象観測所で見た光環などの美しい光学現象に魅せられて以来,水蒸気が水滴に凝結する問題の研究に取り組み,この実験のために人工的に霧を発生させる装置(霧箱)を作製,X線で霧箱を照射すると水滴は気体中に生じたイオンを核として凝結することを発見(1895‐1900),さらに1911年には電離作用をする粒子の飛程を写真に撮影することに成功した。…
…気体中に生ずる霧によって荷電粒子の飛跡を検出する装置。1911年前後にC.T.R.ウィルソンにより実用化されたことからウィルソン霧箱とも呼ばれる。十分に飽和した気体を急に膨張させると過飽和状態になるが,このときに荷電粒子が入射して気体の分子が電離されるとイオンを核として気体が凝縮して粒子の飛跡に沿って水滴(霧)が生成される。…
※「ウィルソン霧箱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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