世界大百科事典(旧版)内のウィルソン,J.H.の言及
【イギリス】より
…〈イギリス病〉を克服し,インフレと失業を退治する特効薬として,イギリス人の北海油田の開発によせる期待は大きい。【荒井 政治】
[イギリス病,ポンド衰退,高インフレ--1960年代から70年代]
1964年に政権に復帰した労働党ウィルソン政権は長期的計画に基づく産業の近代化による成長促進,所得政策によるインフレ抑制をめざすが,成果はなく,労使関係の改革にも失敗した。国際収支危機に直面してデフレ政策を取るが,67年にポンド切下げに追い込まれた。…
【労働党】より
…大組合のブロック票に支持された党首H.T.N.ゲーツケルは,地方支部に基盤をもつA.ベバン派からの,福祉と再軍備をめぐる数度の挑戦を退けたが,他方,階級政党としての党の体質を改めるため社会主義綱領(第4条)を廃棄しようとした彼の試みは組合の反対で敗れた。63年新党首に就任したウィルソンJames Harold Wilson(1916‐95)は新産業技術重視の近代化ビジョンを掲げ,64年,労働党を政権に復帰させた。国家の参加する高度成長経済の中で福祉水準の引上げを約束し,これを管理するテクノクラートの党としてみずからを位置づけたが,継承した低成長経済の中で外貨危機に見舞われ,デフレ政策に転じ,70年の総選挙で敗退した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」