世界大百科事典(旧版)内のウィルヘルミ,L.F.の言及
【化学】より
…化学熱力学がつくられると同時に,化学反応論もしだいに形づくられた。ウィルヘルミLudwig Ferdinand Wilhelmy(1812‐64)は,ショ糖の転化速度を数式に表現して化学反応速度の定量的扱いに成功した。1862年,ノルウェーのC.M.グルベルグとP.ボーゲは,化学平衡の位置は各成分の濃度比で決まるという〈質量作用の法則〉を述べた。…
【反応速度】より
…反応速度が系統的に調べはじめられたのは比較的新しく,19世紀中ごろになってからである。1850年,ドイツの化学者ウィルヘルミーLudwig Ferdinand Wilhelmy(1812‐64)は,酸を触媒とするショ糖の加水分解反応(化学式)を研究し,反応が進むと旋光性が右旋性から左旋性に変わることを利用して,この反応速度を測定し,温度,酸濃度などの条件を一定とすれば,反応速度はショ糖の濃度に比例することを見いだした。続いて62年には,フランスの化学者P.E.M.ベルトロとサンジルLéon Péan de Saint‐Gilles(1832‐63)は,酢酸エチルの生成と分解の反応を詳細に調べ,上式で右向きの酢酸エチルの生成反応の速度vは,酢酸とエチルアルコールのそれぞれの濃度に比例し,左向きの酢酸エチルの分解反応の速度v′は,酢酸エチルの濃度に比例し,それぞれ, v=k[CH3COOH][C2H5OH] ……(1) v′=k′[CH3COOC2H5] ……(2) で与えられることを見いだした。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」