エラン・ダムール(読み)えらんだむーる

世界大百科事典(旧版)内のエラン・ダムールの言及

【ベルグソン】より

…他方,物質界は一瞬前の過去を惰性的に反復するだけであるから,このような持続の弛緩の極といえ,その他の宇宙の万象は,緊張のもろもろの度合による多彩・多様な創造的進化の展開であり,緊張の極はエラン・ビタルélan vital,さらには一般人ならぬ天才・聖人らの特権的個人によって直観される持続としての神的実在である。そして倫理的・宗教的行為とは,カントのいう理性の律法による選択ではなく,かかる特権的個人の行為を通じて発出する神的エラン・ダムールélan d’amourによる地上的持続の方向づけとそれへの参与にある。永遠界に在るとされたプラトン的真実在は,かくて時間論的・キリスト教的視角から刷新され,物理学,数学をモデルに構築されたデカルト的宇宙観も,心理学,生理学さらには生物学という新しい時代の科学を踏まえて生動化される。…

※「エラン・ダムール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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