世界大百科事典(旧版)内のオクローシカの言及
【クワス】より
…いずれにしても製法が比較的簡単であるので,ロシアでは家庭でもつくられるが,近年都会では専門の工場で大量に生産され,夏になるとクワス専用のタンク車が随所に見かけられるようになった。十分冷やしたものをそのまま飲用するばかりでなく,オクローシカと呼ばれる冷やしスープのベースとしてもしばしば用いられる。缶詰が外国へ輸出されている。…
【ロシア】より
…現在では特別な場合を除き都市と農村の服装のあいだに大きな差はなく,伝統的な衣服のスタイルやししゅうのデザインなどは,都会のファッションの中に取り入れられている。
[黒パンとピローグ]
農民の主食は比較的最近まで黒パンとジャガイモ,それに各種の穀物でつくる粥(カーシャkasha)であり,スープには酢漬けのキャベツを具とするシチーshchi,トマトとテンサイで赤い色をつけたボルシチ,クワスをベースとするチューリャtyuryaやオクローシカokroshkaなどがあった。ロシア正教ではふだんでも水曜日と金曜日は精進日とされ,復活祭やキリスト降誕節(クリスマス)のような大きな祭りの前には長い斎戒期が設けられていて,その間は肉食が禁止された。…
【ロシア料理】より
…古くからロシア人の食べ物として知られたのは,ライ麦からつくる黒パン,各種の穀物の粥(カーシャ),デンプンを用いるゼリー状のキセーリなどで,これらは12世紀以降の年代記などにあらわれる。飲物としては麦芽を発酵させてつくるクワス,蜜酒,ビールが愛好され,ややおくれてウォッカがこれに加わった。各種の獣肉,鳥,魚も早くから食されたが,チョウザメの卵であるキャビアが本格的にロシア料理に取り入れられたのは,16世紀後半にカスピ海に注ぐボルガ川の下流がロシアの領土に組み入れられてからである。…
※「オクローシカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」