世界大百科事典(旧版)内のオネーギン,E.の言及
【エフゲーニー・オネーギン】より
…1825‐32年刊。知性も能力もありながら,現実の生活に幻滅し,理想も信念も持たぬペテルブルグの高等遊民オネーギンは,伯父の死によって領地を相続し,いなかに住むようになる。近隣の地主の娘タチヤーナはオネーギンを熱烈に愛するが,オネーギンは彼女の美点を見抜けず冷たくあしらい,タチヤーナの妹と婚約している友人レンスキーを決闘で殺し村を去る。…
【余計者】より
… この名称が一般化したのは,ツルゲーネフの《余計者の日記》(1850)からであるが,この形成は20年代にさかのぼる。最初の明確な形象化はプーシキンのオネーギン(《エフゲーニー・オネーギン》1823‐31)で,次いでレールモントフのペチョーリン(《現代の英雄》1840)が現れる。彼はオネーギンと違って強い男で,才知が鋭く,感情が深く,意志が強く,行動力はあるが,そのはけ口を冒険に求め,自分の生命も他人の生命ももてあそぶ破滅型である。…
※「オネーギン,E.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」