世界大百科事典(旧版)内のかげの薄い人の言及
【影】より
…しかも一方,〈かげ〉は,永遠の暗黒であり,目に見えない心霊世界であり,ものみなを冷たいところへ引き込む死であった。権力を駆使し,物質欲に燃える支配者は〈かげの強い人〉であり,一方,存在価値を無視され今にも死にそうな民衆は〈かげの薄い人〉であり,さらに冷たい幽闇世界へ旅立っていった人間はひとしなみに〈かげの人〉であった。当然,ひとりの個人についても,鮮烈で具体的な部分は〈かげ〉と呼ばれる一方,隠蔽されて知られざる部分もまた〈かげ〉と呼ばれる。…
※「かげの薄い人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」