世界大百科事典(旧版)内のカッシニ,G.D.の言及
【カッシニ家】より
…新たに生まれたフランスのアカデミー・デ・シアンスに招かれ,さらに新設のパリ天文台の初代台長に就任して,69年フランスに帰化した。土星の環にある間隙(カッシニの隙間),土星の衛星の発見,月の自転に関するカッシニの法則の提案などの業績を挙げ,また測地学にも手を染め,フランスの全国的測量に着手したが,これは息子から孫に受け継がれて完成されることになった。 2代目はジャックJacques C.(1677‐1756)で,パリ生れ。…
【地図】より
… 17世紀後半になると,地図学の中心はパリに移り,王室地理学者サンソンN.Sansonは1658年均整のとれた正弦正積図法(サンソン図法)を駆使した地図帳を刊行した。1669年パリ天文台長としてイタリアから招かれた天文学者G.D.カッシニとその子孫の測地学・地図学への貢献は大きく,1793年に完成した8万6400分の1フランス全域図(全182葉)は,三角測量による精密な地形図で,その後の先進諸国の官製地図に大きな影響を及ぼし,現在に続く〈大縮尺図時代〉を到来させることとなった。
[インド,中国]
アジアにおいて早くまとまりのある世界像を構想したのはインド人で,バラモン教の説くところによれば,世界の中央にジャンブトゥビーパ(贍部洲(せんぶしゆう))と呼ばれる円形の大陸があり,その中心にそびえる巨大なメール山は,その上空を回る太陽の光を遮って地上に昼夜をつくり,この山の南北にはそれぞれ3条の東西方向の山脈があって,最南の山脈がヒマラヤ(雪の蔵)だとされている。…
【月】より
…(3)黄道面に対する月の赤道の降交点と白道の昇交点とはつねに一致している。この三つの法則は,17世紀のイタリアの天文学者G.D.カッシニによって観測結果から経験的に求められたもので,カッシニの法則と呼ばれている。この第1法則から,月は地球に対していつも同じ面を向けていることになる。…
【天文台】より
…望遠鏡はじめ諸種の観測器械を使って,天体や宇宙の観測をする施設をいう。観測のほかに,測定・解析用機器や資料,文献を備えて,天文学の諸種の研究を行う天文台も多い。
[天文台の歴史]
科学史に示されているように,天文学はもっとも長い歴史をもつ科学であり,また国家が国民に暦や時を授けるという統治上の必要に用いられた。そこで天体観測を国家の権威のもとに行うための天文台が設けられた歴史もまた古い。エジプト暦が採用されたのは前4200年ころといわれ,古代エジプトではそれ以前から詳しい天体観測がなされていたことになる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」