世界大百科事典(旧版)内のカドメイアの言及
【カドモス】より
…姉妹のエウロペがゼウスに誘拐されたとき,彼は父王から,彼女を見つけるまでは帰国を禁ずという厳命のもとに,その捜索に出されてギリシアに来た。しかし捜索はむなしく終わったために帰国を断念し,デルフォイの神託の指示どおり,アポロン神殿の近くで見かけた牝牛につき従ってボイオティア(〈牝牛の国〉の意)に着き,牛が体を横たえた地点にカドメイア(のちのテーバイ市の城塞)を建設した。この際,犠牲式に必要な水を汲むべく,軍神アレスの泉を守っていた竜を退治したが,女神アテナの勧めでその歯を地にまくと,たちまち多数の軍兵が出現した。…
【テーベ】より
…伝説によれば,フェニキア王の子でギリシアに文字をもたらしたと伝えられているカドモスが,ゼウスに誘拐された姉妹エウロペを探し求めてギリシアにやって来て,デルフォイの神託に従って建設したという。これによりテーベのアクロポリスはカドメイアKadmeiaと呼ばれた。ミュケナイ時代にこのカドメイアには大宮殿があり,発掘の結果,これは前14世紀に火災で崩壊し,まもなくより小規模の新宮殿が再建されたが,これも100年足らずで破壊されたことが知られている。…
【テーベ伝説】より
…ゼウスの雷霆(らいてい)にうたれて死につつもディオニュソスを生んだセメレSemelē,わが子ペンテウスを八つ裂きにするアガウエAgauē(エウリピデスの悲劇《バッコスの信女》を参照),海にわが身を投じて果てたイノInōなどである。なおテーベのアクロポリスは,カドモスにちなんでカドメイアKadmeiaと呼ばれたが,ここからは近年バビロニアの円筒印章が出土し,東方との交流のあったことを裏づけている。(2)アンフィオンAmphiōnとゼトスZēthosとによる2度目の建国の物語。…
※「カドメイア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」