世界大百科事典(旧版)内のカブキ茶の言及
【かぶき】より
…かたむく,かたぶくことを表す動詞傾(かぶ)くの連用形からできた名詞。正常ではないようす,勝手気ままな言動,とびきりはでで異様な感じをひとに与える身なり・服飾,また色好みの気風を漂わせるもの等々を意味することばとして,安土桃山時代から江戸時代初期にかけて流行した。あたかも〈ばさら〉の語が南北朝動乱期を中心としつつ,独自の美意識をしめす語として巷間に流布したように,この語もやはり戦国の争乱がしだいに天下一統の世へとおもむいた激動の時代の風潮を端的にいい表す独特の流行語としてもてはやされたといえるであろう。…
【闘茶】より
…闘茶の種類は以上のほかに〈二種四服〉〈三種釣茶〉〈四季々茶〉〈六色茶〉〈源氏茶〉〈系図茶〉〈七所勝負〉などの名があげられる。闘茶は室町時代中ごろから衰えはじめ,残滓として江戸時代にもうけつがれ〈カブキ茶〉といわれていたが,中ごろに茶道の心技錬磨のために〈千家七事式〉が考案されるや,味覚の修練に〈茶カブキ〉として取り上げられ,今日に至っている。【筒井 紘一】。…
※「カブキ茶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」