世界大百科事典(旧版)内のかまぼこ製造業の言及
【水産加工】より
…多獲魚の代表的魚種であるスケトウダラが画期的なすり身技術の開発によって,サバが青切りや缶詰加工の展開によって,イワシ(マイワシ)が魚油,飼肥料製造業と連動することによって,それまでの生産量を激増させ(スケトウダラ,サバは1960年代半ば以降,マイワシは76年以降),年間100万~300万tの驚異的な生産をあげているが,それは大量漁獲と量産加工との有機的な結合による工場的生産体制の確立があったことを示すものにほかならない(1990年代に入りマイワシの漁獲が激減し,このためこれを主な原料とする肥飼料,油脂は大幅に減少している)。量産加工の飛躍的伸長は,スケトウダラすり身が大量安価の練製品原料を供給して,かまぼこ製造業の発展をうながしているように,水産加工業の発展に寄与している。しかし,原料資源の〈無限性〉を前提に成立している大量生産型加工がいかにもろいものであるかは,米ソが200カイリ漁業専管水域を宣言したことに起因する76‐77年の200カイリショックに見舞われた東北,北海道の水産加工業の経済的混乱によって余すところなく証明された。…
※「かまぼこ製造業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」