世界大百科事典(旧版)内のから押しの言及
【製本】より
… 中世には,本の製作(書写すること,彩飾すること,とじること)の仕事は,もっぱら僧院の記録室scriptriumで,僧の手でおこなわれ,表紙には皮革が用いられ,今日のような革装丁本が生まれた。12世紀になると,イギリスではロンドン,ウィンチェスター,ダラムをはじめ,主要な都市の僧院に製本技術学校が設けられ,革表紙の上に小形の印型を用い,いろいろの〈から押しblind tooling〉模様をつくった。 14~15世紀にかけて製紙術が普及し,15世紀中葉の活版印刷術の発明により,本が安価に製作できるようになったために,出版活動も本格化し,製本も従来の〈個人製本private binding〉(印刷された枚葉紙を買って自分で,あるいはおかかえ製本師により製本する)に加えて,出版所で製本してから本として売られる〈出版所製本edition binding,publishers’ binding〉があらわれたが,それが主流になるのはなお数世紀後であった。…
※「から押し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」