世界大百科事典(旧版)内のカンタンプレ,T.deの言及
【怪物】より
…また3~4世紀のアレクサンドリアでは,アリストテレスの著作などを流用した教訓的な動物誌〈フュシオロゴスPhysiologos〉が成立しており,怪物の記述を多数含んだ文献としてプリニウスとともに〈中世動物寓意譚(ベスティアリ)〉の主要な源泉となった。ここで一角獣や人魚についての基本的な記述はほぼ定まり,13世紀のトマ・ド・カンタンプレThomas de Cantinpréの《万象論》,14世紀のマンデビルJ.Mandevilleの《東方旅行記》などの中世文芸を通じて怪物誌が広く一般に浸透することになる。また中国の《山海経(せんがいきよう)》は,東洋における怪物記述の宝庫であり,形天と呼ばれるブレミュアエと酷似する奇形人種などが論じられている。…
【博物学】より
…当時は〈自然に飛躍なし〉とか〈陸上と海中との完全対応〉といった教義が有力で,例えば人魚は人間と魚のあいだの飛躍(ギャップ)を埋めるものとしても,また陸の人間に対応する海中の人間としても,実在しなければならぬ動物と考えられた。トマ・ド・カンタンプレThomas de Cantimpré(13世紀)の《万象論》,J.マンデビルの《東方旅行記》などがこの時代の怪物誌を代表する。 しかしルネサンスを境に博物学書は質的に大転換を遂げる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」