世界大百科事典(旧版)内のカンダラの言及
【サバ(鯖)】より
…多数が一時に漁獲されるので,計算に際して2,3匹を串にまとめて一つと称することから多めにみつもることを〈サバをよむ(数える)〉というともいわれる。これは漁獲物の一部を舟子,網子たちが無償でもち帰るカンダラという風習と関連するとも思われる。 一方,古い街道筋の要所である坂や峠に僧がサバを手にもつ像を祭って〈鯖大師〉と呼び,弘法大師が旅僧の姿でサバ1匹を請うたのに,商人または馬子が荷物のサバを与えなかったために罰せられたという伝説を伝えている場合がある。…
【盗魚】より
…親方もこれを半ば黙認した。九州一円では,これをカンダラ,カンダロなどといい,山口県ではトウスケ,関東ではドウシンボウ,東北の太平洋沿岸ではモスケなどと呼んでいる。網漁業のように組織化された漁労形態に多くうかがうことができ,特定の舟主による漁業の私有化と,これに参加する漁民の漁獲物への共有意識の間に現出した習慣とも考えられる。…
※「カンダラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」