世界大百科事典(旧版)内のカンテ・グランデの言及
【ジプシー音楽】より
…17~18世紀にアンダルシア地方に定住したジプシーの音楽家が,おもに下町のレストランや酒場で歌い手,踊り手,ギタリスト各1人ずつという小さなコンビで演奏するのがそのはじめの演奏形態であったが,しだいに劇場の舞台でも演奏される大規模なものに発展してきている。レパートリー(曲種)の中心は,もっぱら悲恋の苦しみや人生の絶望などの深い嘆きの心情を吐露するカンテ・ホンド(カンテ・グランデ)と,人生の楽しさを謳歌する軽快なリズムのカンテ・チーコ(カンテ・フラメンコ)である。この二つのタイプは,ジプシーに共通する悲哀と喜悦の情熱的な表現を反映している。…
【フラメンコ】より
…踊り,ギター・ソロの諸形式も,ほとんどカンテの形式から発している。カンテは普通,カンテ・グランデcante grande(大きな歌)とカンテ・チーコcante chico(小さな歌)に大別される。前者は歴史が古く一般に荘重な感じで深刻な内容のものが多く,原則としてもっぱら歌われるもの,後者は比較的新しく軽妙なリズムに乗せて日常の哀歓をうたうことが多く,踊りを伴うものである。…
※「カンテ・グランデ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」