世界大百科事典(旧版)内のカーター,J.E.の言及
【アメリカ合衆国】より
…アメリカ経済のかかえるそのような最近の諸問題は,失業問題,とくに黒人やラテン系労働者を中心とした構造的失業の問題を含めて,いずれも総需要の不足が原因ではないため,従来の総需要管理政策では解決できぬ性質のものとなっている。80年にカーター大統領が〈工業再生化〉を提唱し,ついで81年にレーガン大統領が〈経済再建計画〉をうちだすなど,供給重視の経済政策に転換したのも,そのような状況変化の表れであり,また世界経済におけるアメリカの地盤沈下に対する危機感の反映でもある。しかし,以上の事態はなにもアメリカ経済のもつ活力がすべて失われたことを意味するのではない。…
【核戦略】より
…この戦略の採用とともに,アメリカは対兵力戦略を重視し始め,なかでもコンクリートで防護されたミサイル・サイロ,指揮・管制中枢など硬化目標hard targetsの攻撃を重視した。 この政策は1977年1月に登場したカーター政権にも引きつがれ,戦略核攻撃の目標を核ミサイル,レーダー,潜水艦などの基地から指揮・管制中枢,核貯蔵施設まで広げた。同政権のブラウン国防長官は,ソ連の核戦力がミサイル数や破壊威力総計などで優位にあることを指摘して,〈ソ連の享受している戦力特質のどのような面も,アメリカが持つ他の有利な面で相殺することが必要だ〉と述べた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」