世界大百科事典(旧版)内のガラス版の言及
【版画】より
…写真はネガフィルムという原版にインキの代りに光による化学的変化を利用して形をつくる(現像する)という点で広義の版画概念に属するものである。19世紀の後半に風景画家のコローやT.ルソーあるいは日本で教えたフォンタネージたちが制作したガラス版(クリッシェ・ベールcliché verre)とは,薬品を塗ったガラス板に直接に針で描いたデッサンを,印画紙に感光させたものであるから,ドライポイント(後述)を写真的な技法で印刷したものといえるような効果をもつ。これは光化学的過程によって金属原版を制作し,あとはふつうの圧力式印刷機で制作するヘリオグラビアheliogravure(1875年ウィーンのクリーチュKarl Klietsch発明)とは異なるものである。…
※「ガラス版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」