世界大百科事典(旧版)内のギューリック,J.T.の言及
【隔離】より
…しかし隔離は地理的に異なった集団には異なった要因による自然淘汰が働くという意味での副次的な役割をもつにとどまらず,隔離こそが種分化の必要条件だとする隔離説Separationstheorieを唱えたのはワーグナーM.Wagner(1868)であった。ギューリックJ.T.Gülick(1872)もハワイ群島の陸産巻貝を集めて研究し,貝の形,色,斑紋について変異が多く,谷ごとに種類が異なり,近くの谷は互いに似ており,遠くなるにつれ違いも大きくなることを明らかにし,種,属の分化に地理的な隔離が重要であると主張した。ローマニズG.J.Romanes(1848‐94)も変異,遺伝とともに隔離を重視し,今日いうところの生殖的隔離の立場から生殖器官の構造,生殖時期の相違が種の分化の重要な原因であると主張した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」