世界大百科事典(旧版)内のギリシア叙事詩の言及
【ギリシア文学】より
…アルファベット記法の発明とエジプトからのパピルス紙の大量導入によって,口承文芸はにわかに文字作品に転ずる契機をつかみ,数多くの口承叙事詩も前500年代半ばころには増補や改作を経つつ,文学作品として定着したものと思われる。こうして成立したギリシア叙事詩の古本諸流は前400年ころまでに諸都市の記録所や個人の所有として伝播していたが,前300年ころエジプトのアレクサンドリアにおいて集輯され,約150年間にわたる校訂作業を経て現存するホメロス,ヘシオドスらの〈祖本〉が完成されたのである。 口承文芸の段階から〈祖本〉校訂の完了までその間7,8世紀,ギリシアは都市国家(ポリス)群の興隆,ペルシア帝国との幾度かの戦争,ギリシア人同士の覇権争い,マケドニア王国の勃興とギリシア統一,アレクサンドロス大王の東征とヘレニズム世界の出現,という歴史のめまぐるしい推移を閲(けみ)した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」