世界大百科事典(旧版)内のクラ交易の言及
【経済人類学】より
…より品質の高いものをより多く人々に振る舞い,与え,人前で破壊することによって名誉・声望を得ようと努めるアメリカ・インディアンのポトラッチ。クラ交易(クラ)と名づけられた,儀礼的に円環状に島々をめぐる貝やウミギクでつくられた財宝。生産行為にさまざまにつきまとう呪術的・宗教的儀礼,禁忌の数々。…
【交換】より
…前者は交換の動機を経済的なものに限定するのに対して,後者は他の動機にも余地を残している。人類学的な見地からは,たとえばB.マリノフスキーの研究(《西太平洋の遠洋航海者》)で有名な〈クラ交易〉がそうであるように,ひとつの交換制度に経済的動機と並んで,あるいはそれ以上に,宗教的,道徳的,政治的などの動機が結びついているのがむしろ交換本来の姿であると考えられる。すなわちクラ交易の場合,点在する島々のあいだで二つの特殊な品物(赤い貝の首飾と白い貝の腕輪)が環状に互いに逆方向につぎつぎと交換されて回っていく。…
※「クラ交易」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」