世界大百科事典(旧版)内のコントラテーノル・バッススの言及
【カウンター・テナー】より
…男性アルト歌手。15世紀中ごろ定旋律(テノール)に対してコントラテノール・アルトゥスcontratenor altus(contraはラテン語で〈…に対する〉の意味で,テノールに対して高い声部をいう)とコントラテノール・バッススcontratenor bassus(テノールに対して低い声部)が付加され後世の音楽で基本となる4声部書法が確立し,ポリフォニックな教会音楽が多く作曲された。しかし教会では女声が使われなかったため,コントラテノール・アルトゥスの声部は男声のファルセットによって歌われ,イギリスではその歌手をカウンター・テナーと呼んだ。…
【テノール】より
…ここに定旋律が置かれ,他の声部に比べてゆっくりと,つまり各音を長く保って奏される場合が多い。(3)テーノルとディスカントゥス(のちのソプラノ)に第3の声部としてコントラテーノルが添えられたが,それがコントラテーノル・アルトゥス(テノールに対して高い声部,のちのアルト)とコントラテーノル・バッスス(テノールに対して低い声部,のちのバス)に分かれて,15世紀末に4声作法が標準化すると,テノールは下から2番目の声部を指すようになった。(4)このような声部を受け持つ声種,すなわち男性の最も高い声種のこと(およその声域は図参照)。…
【バス】より
…ベースともいう。15世紀半ばにソプラノ,アルト,テノール,バスによる4声作法が一般的となった際,定旋律を担うテーノル(テノール)に対して〈低い声部〉(コントラテーノル・バッススcontratenor bassus)の意で用いられたのが始まりである。ここから楽曲の最低声部をバスと呼ぶようになった。…
※「コントラテーノル・バッスス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」