知恵蔵 「コンプがちゃ」の解説 コンプガチャ 携帯電話やスマートフォン、パソコンで利用できるソーシャルゲーム上の課金システムで、ゲームで利用できる武器などのアイテムが獲得できる。 硬貨を入れ、ダイヤルを回すと、おもちゃが入ったカプセルが出てくる自販機「カプセルトイ」のように、くじ引き的要素を持つ。カプセルトイは、一般的に「ガチャガチャ」や「ガチャポン」と呼ばれることが多く、コンプガチャのガチャは、この呼び名を語源としている。ちなみに、コンプガチャのコンプは「コンプリート(完全)」を意味する。 コンプガチャでは、カードを引き、あらかじめ決められたカードの組み合わせと同じになれば、希少価値の高いアイテムを取得できるが、同じ組み合わせになる確率は極めて低い。そのため、カードがそろうまで何度も挑戦し、結果的に多額の料金を請求される利用者が多い。 2010年頃からは、「多額の料金を支払ったがアイテムが取得できなかった」、「子どもが何十万円も使った」などといった問い合わせが全国の消費生活センターに寄せられるようになった。消費者庁は、コンプガチャが、景品表示法で禁じる懸賞に当たると判断。12年5月9日、同庁の福嶋浩彦長官が、「コンプガチャについて一定の規制をしなければならない」と述べた。 同庁は業界団体を通じ、ゲーム会社にこの手法を中止するよう要請したが、同日にゲームサイトを運営しているGREE、DeNAなど6社が、現在提供しているコンプガチャを5月末までに打ち切ることと、今後、新規にリリースするゲームについてもコンプガチャの仕組みを取り入れないことを発表した。 更に5月18日には、消費者庁が景品表示法の運用基準を改正し、コンプガチャを7月1日から法規制すると発表した。規制により、コンプガチャに関わる業界全体の売り上げが2~3割減るのでは、と語るアナリストもいる。 (横田一輝 ICTディレクター / 2012年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報