世界大百科事典(旧版)内のサイミントン,W.の言及
【外車船】より
…外車は水車に似た構造をしており,船内の蒸気機関の回転運動によって回し,これで水をかきながら船を前進させる。蒸気機関を用いた最初の外車船は,1802年スコットランドのW.サイミントンが造った船尾外車式のシャロッテ・ダンダス号Charlotte Dundasといわれている。初期の外車は水かき板が水車のように固定式であったが,これでは回転につれて水かき板が水面をひっかいて効率がよくないので,50年代に入ってつねに水面に直角に近い角度で出入りするように改良された。…
【蒸気機関】より
…そして82年にはさらにピストンの両側に交互に蒸気を供給し,かつ蒸気の膨張力をも利用する方法をとり入れて熱効率を高め,またのちにはシリンダーへの蒸気の供給量を自動的に加減する調速機を用いて適正な運転を行わせるようにし,ここに実用的な蒸気機関を完成した。 このように発達してきた蒸気機関は1780年ころから鉱山の揚水だけでなく,工作機械,織物機械その他一般工場用の原動機として広く用いられ,また1800年前後にサイミントンWilliam Symington(1763‐1831),R.フルトンらによって行われた蒸気船の実用化や,G.スティーブンソンによる蒸気機関車の完成によって,工場用としてまた交通機関用として偉大な貢献をし,文字どおり機械文明の原動力となって独歩の地位を占めるにいたった。19世紀は蒸気機関万能の時代ということができる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」