世界大百科事典(旧版)内のサルマティア趣味の言及
【ポーランド美術】より
…しかし同時に,1569年リトアニアを併合し(ルブリン合同),東方にひろがる大国となり,トルコやイランの文物が流入する。みずからの出自を勇敢なサルマティア人と考え,それを誇る貴族たちは,東方の文物に倣って西欧の影響をかえりみず,プリミティブなものを好む,いわゆる〈サルマティア趣味〉が,とくにアジア風の衣装や武具,細部に念入りで,微妙な表情を欠いた肖像画などにみられた。1700年前後,ことにヤン・ソビエスキの時代(1629‐96)に高まったこの傾向は,貴族の誇り高い保守的な性格とともに生産的なものとはみなされていないが,きわめて興味ぶかい現象である。…
※「サルマティア趣味」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」