世界大百科事典(旧版)内のシリア暦の言及
【暦】より
…一方,農事や地租の徴収,あるいはエジプトの〈春風をかぐ祭Shamm al‐nasīm〉やイランの〈春分の祭〉に代表される土着の祭礼は各地に固有な太陽暦に基づいて行われた。例えばエジプトではナイルが増水する8月末を年初とするコプト暦が使われ,シリアでは雨が降り始め種まきが始まる秋を年初とするシリア暦が,またイランでは春分(ノウルーズ)を年初とするペルシア暦が用いられてきた。現在でも,ヨーロッパ化にふみきったトルコ共和国を別とすれば,ヒジュラ暦と古来の太陽暦,それにヨーロッパから伝えられたグレゴリオ暦を併用する地域が少なくない。…
【農事暦】より
…これに対して農事や地租の徴収は,イスラム時代以後においても,各地に固有な太陽暦に基づいて行われるのが慣例であった。エジプトのコプト暦,シリアやイラクのシリア暦,イランのペルシア暦などがこれに相当する。15世紀ごろのコプト暦を例にとってみれば,ナイルが増水する8月末を年初として,月ごとに次のような農事や祭りが定められていた。…
※「シリア暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」