ジェニター(読み)じぇにたー

世界大百科事典(旧版)内のジェニターの言及

【親子】より

…彼らは父子間の血のつながりを知らないにもかかわらず,社会的な父親の存在を認めていることになる。このようなことのため,一般に,社会的な父親と自然的な父親が区別され,前者はペーターpater,後者はジェニターgenitorと呼ばれる。 今日の社会では,受胎から出生に至る自然のしくみを前提とするかぎり,自然的な親子関係と社会的な親子関係とは通常は一致する。…

【親族】より

…父親との関係と母親との関係とを区別して考えようとする認識としては,たとえば男性が〈種〉を与え女性が種を発芽する〈大地〉であるとの認識の下に,生殖から子どもの誕生までを解釈している例,子どもの体軀(たいく)は男性から〈骨〉,女性から〈肉〉が提供されたことにより構成されると解釈している例など,世界各地にさまざまな例がある。それら諸民族における親族の〈民俗生物学〉的関係にほぼ共通している認識は,生殖に関与し子どもの誕生をもたらしたとされる両親と子どもとの関係であり,文化人類学では生殖に関与したとされる男性を〈ジェニターgenitor〉,女性を〈ジェニトリックスgenetrix〉と呼んでいる。この2者およびその間にできた子どもとの関係が〈系譜関係〉と称される関係であり,この関係はそれぞれの民族がもつ生殖理論にしたがって信じられている親子関係であって,世界に普遍的であるとまでいわれている。…

※「ジェニター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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