世界大百科事典(旧版)内のジルバーマン,G.の言及
【ジルバーマン】より
…ドイツのオルガンおよび鍵盤楽器製作者の一族。(1)アンドレアスAndreas(1678‐1734) ゲルリッツ,シュトラスブルク(現,ストラスブール),またパリのA.ティエリーのもとで修業後,シュトラスブルクに定住し,シュトラスブルク大聖堂(3段鍵盤,39個ストップ)をはじめ,コルマール,ロスハイムなどに34台のオルガンを製作した。エーバースミュンスター,マルムティエの修道院のオルガンは,良好な状態で現存する彼の代表作とされる。…
【ピアノ】より
…しかし彼の発明はイタリアでは注目されず,むしろドイツとイギリスで発展した。ドイツではG.ジルバーマン(ジルバーマン)がクリストフォリの考案を採用して何台かを試作し,1740年代にはフリードリヒ大王のポツダム宮殿にも採用されて,晩年のJ.S.バッハがそれを試奏した。クリストフォリやG.ジルバーマンの打弦機構はいわゆる〈突き上げ方式Stossmechanik〉で,ハンマーは鍵と独立して別の固定的な支点をもち,ハンマーの付け根をレバーが突き上げて打弦する。…
【平均律】より
…しかし,このころすでに平均律は十分に浸透した音律法であったらしく,ラモーも同じ頃に平均律の理論を示し,また,マッテゾンの《通奏低音教本》(1719)にはすべての調を用いた例題が示されている。しかし,オルガンの調律に平均律を採用したのはG.ジルバーマンの世代に至ってからのことである。 平均律はその後,調性音楽と密接に結びついた音律論として,〈トリスタン和声〉に代表される豊かな転調を用いたR.ワーグナーの和声の基礎となったのみならず,十二音音楽を支える理論でもあった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」