世界大百科事典(旧版)内のスオミ族の言及
【ウラル語系諸族】より
…後1世紀末以降原バルト・フィンはさらに拡散を重ね,バルト海東岸のエスティ(エストニア),ボート,リーブ(リボニア),北ロシアのベプス,インケリ(イングリア),カレル(カレリア),スカンジナビアのスオミの諸族となる。ところで,ラップランドの原住民サーミ(ラップ)族はバルト・フィン諸族の一員だが,言語的に最も近い隣族スオミ族とは形質を大きく異にするところから,ウラル語の古い段階を代表するある言語(プロト・ラップ)を使用していたサーミ族の祖先が,ボルガ・フィン,バルト・フィンの強い影響下に古い言語を捨ててバルト・フィン語を採用したとする所論(プロト・ラップ論)が有力である。 研究体制としては,フィンランド,ハンガリー,エストニアを中心に国際ウラル学会が組織されており,4年おきに国際会議を開催している。…
【フィンランド】より
…彼らは移動中に農耕を習得したが,バルト・スラブ族と接触してその文化を吸収し,さらにゲルマン人と遭遇して社会制度や生活様式を学び取った。原フィン人はやがて主力のスオミ族(フィンランド)とエストニア族(エストニア),それにオネガ湖付近のベプス族,イングリア(現在のソ連のレニングラード地方)のボート族,クールランド(現在のラトビアのリガ湾南岸,南西岸地方)のリボニア族に分裂していった。スオミ族Suomalaisetは現在のエストニアの地からいくつかの集団を組んで船で北上し,フィンランドの南西部に上陸した。…
※「スオミ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」