世界大百科事典(旧版)内の《スコウマン》の言及
【西部劇】より
…正義のヒーローが悪漢どもを倒し,ヒロインを救うという勧善懲悪のパターンで,大人気を博し,やがて〈ホース・オペラhorse opera〉と呼ばれるB級西部劇,トム・ミックスやバック・ジョーンズから〈歌うカウボーイ〉と呼ばれたジーン・オートリーやロイ・ロジャーズに至るお子さま向け西部劇の原型になった。 リアリズム志向の西部劇は,インディアンと白人の混血児の悲劇を描いたセシル・B.デミル監督《スコウマン》(1913),虐げられつつ滅びゆくインディアンの悲哀を描いたモーリス・トゥールヌール監督《モヒカン族の最後》(1920)やジョージ・B.サイツ監督《滅びゆく民族》(1926)といった人種問題に目を向けた作品や,《鬼火ロウドン》(1918)あたりから《曠原の志士》(1925)に至るウィリアム・S.ハート監督の人間味と詩情のあふれる〈ハート西部劇〉や,開拓民のキャラバン隊の大移動を描いたジェームズ・クルーズ監督《幌馬車》(1923)や鉄道建設を描いたジョン・フォード監督《アイアン・ホース》(1924)といった西部開拓史そのものに取材した〈叙事詩〉的大作に受け継がれた。1930年には早くも70ミリ作品に挑んだラオール・ウォルシュ監督《ビッグ・トレイル》,そしてオクラホマ20年の開拓史をつづったウェズリー・ラッグルズ監督《シマロン》(1931)のような大作がつくられている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」