世界大百科事典(旧版)内のスタイナー,M.の言及
【映画音楽】より
…現代ではF.トリュフォーが75年の《アデルの恋の物語》で,M.ジョーベールの音楽を先に録音しておき,それを撮影中に流すことによってシーンのムードを作り,サイレント時代の〈音楽による〉演出方式の再現を試みている。 トーキーの時代に入ってハリウッドの音楽監督の草分けの一人M.スタイナー(1888‐1971)が,《キング・コング》《男の敵》(アカデミー音楽賞)などで,映画音楽の一般的なパターンを作り出したといわれる。まずオープニング(たいていはクレジットタイトル)で音楽が映画のムードを醸し出し,そのあとは監督の意図や嗜好に従って,音楽がサウンド・トラックに見え隠れして,アクションを盛り上げるというこの形式は,以後,A.ニューマン,E.コーンゴールド,F.ワックスマン,A.ノース,V.ヤング,D.ティオムキン,H.マンシーニ,M.ジャールといった音楽家たちに受け継がれ,1960年代までハリウッドの映画音楽の主流を形成する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」