世界大百科事典(旧版)内のスタロバンスキー,J.の言及
【見世物】より
…ドーミエ,ロートレック,ルオー,ピカソ,シャガールといった画家たち,ゴーティエ,ボードレール,ウェーデキント,ヘンリー・ミラーといった作家たち,またメイエルホリド,エイゼンシテイン,チャップリン,トッド・ブラウニング,フェリーニといった映画・演劇人などその例は枚挙にいとまがない。ソシュールのアナグラム資料の研究でも知られるスイスの文芸理論家ジャン・スタロビンスキ(スタロバンスキー)は,《軽業師としての芸術家の肖像(道化のような芸術家の肖像)》(1970)という象徴的な題をもつ本のなかで,そういった芸術家たちの関心の特質をみごとに分析してみせたが,それは〈近代〉という功利性の網の目におおわれた実務的世界にあって,芸術家はどのような場にわが身を解き放つことにより,真に統合的な世界を樹立することができるのかという,尖鋭な芸術論であった。われわれは今,〈近代化〉という事態が,果たして見世物などという卑俗で無用なものを振り捨てただけであったのかどうか,再考の必要に迫られている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」