世界大百科事典(旧版)内のスミス,G.A.の言及
【イギリス映画】より
…18世紀後半に〈パノラマ〉を考案したR.バーカー,19世紀前半に〈ファラデーの車輪〉と呼ばれる装置を発案したM.ファラデー,〈ソーマトロープ〉を考案したフィットンとパリス,〈ゾーエトロープ〉を考案したW.G.ホーナー,19世紀後半には初めて〈連続写真〉の撮影を行ったE.マイブリッジ,映画用カメラを初めて作ったW.フリーズ・グリーン等々。次いで1896年3月に《ドーバーの荒海》と題した自作のフィルムのイギリスでは初めての興行上映を行ったR.W.ポール,1900年前後にいち早くクローズアップやカット・バックといった映画的手法や,ロケーション撮影や書割を背景に用いたセット撮影を駆使して世界最初の〈モンタージュ〉を試みたG.A.スミスをはじめ,J.ウィリアムソン,C.アーバン,C.ヘプワースら,映画史家G.サドゥールによって〈ブライトン派〉と名づけられた映画のパイオニアたちが輩出した。また,ヘプワースは1897年に世界最初の映画の手引書《動く写真または映画撮影のABC》を書き,G.A.スミスとアーバンは1902年に世界最初のカラープロセス〈キネマカラー〉を発明し特許をとっている。…
【カラー映画】より
… 染色法や調色法による〈彩色映画〉は,フィルムに任意の色を人工的に着色したものであり,自然の色彩をフィルムに光学的に再現した〈天然色映画〉が,現在の〈カラー映画〉である。天然色再現法true‐color‐reproduction systemには,〈加色法additive process〉と〈減色法subtractive process〉があり,実際的で商業的に成功した最初の加色法は,G.A.スミスが1906年にイギリスで特許をとり,スミスとC.アーバンが設立したナチュラル・カラー・キネマトグラフ社を通じて活用した〈キネマカラー〉で,最初のカラー映画《デリーの謁見所》(1911)が作られた。〈キネマカラー〉は,白黒フィルムとカラーフィルターを使う2色加色法で,ふつうの速度の2倍,1秒に32コマの速度で撮影,映写され,目が疲労し,フィルムの損耗がはやく,色がずれるなどの欠点があった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」