世界大百科事典(旧版)内のセント・ステファン礼拝堂の言及
【ゴシック美術】より
…すでにノルマンディーとともに,イギリスはその力強いロマネスク建築にリブ・ボールトをとりいれ,ダラムの大聖堂(1093‐1133)のような大規模なものを実現して,初期ゴシック建築の形成に影響するところが多かったが,フランスのゴシック美術が確立されるに及んで,一部では逆にその影響をうけいれた。カンタベリー大聖堂改築の際フランスの工匠ギヨーム・ド・サンスGuillaume de Sensの指導のもとに新様式で内陣(1175‐92)が建てられ,13世紀にはイギリス王の戴冠式をあげるウェストミンスター・アベーがランス大聖堂を範として建てられ(内陣1245‐,身廊1298‐),ヘンリー3世のセント・ステファン礼拝堂(1269,現存せず)はパリのサント・シャペルにならった名建築であった。しかし,これらのフランス様式にならったものでも,イギリス的な特徴を失わない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」