世界大百科事典(旧版)内のタバーンの言及
【居酒屋】より
…酒肆の営業形態は南宋時代にほぼ確立し,元・明・清時代を通じて全国各地に存在して,庶民たちの憩いの場所となった。【寺田 隆信】
[ヨーロッパ]
ヨーロッパの居酒屋を指す語は,英語ではタバーンtavern,パブリック・ハウスpublic house(パブ),フランス語ではカバレcabaretである。ヨーロッパで居酒屋がどのようにして発生したか,古代ローマとの連関はどうかといった点は明らかでない。…
【パブ】より
…イギリスの酒場,パブリック・ハウスpublic houseの略。本来,パブリック・ハウスとは,認可を受けて酒類を提供する場所のことで,宿屋(イン),居酒屋(タバーン),ジン・ショップ,ビア・ハウスなどと呼ばれるものがあった。19世紀になってパブと略称で呼ばれるようになった施設は,都市に特徴的なものであり,産業革命によって農村から突然都市的な環境のなかに投げ込まれ,農業とは違って労働の時間と余暇とが明確に区別される工場労働を強いられた労働者の,余暇を過ごす場所となった。…
【宿屋】より
…一階がパブ,二階以上が宿泊施設というインは,いまでも地方にみられるが,もはやそれは〈宿屋兼居酒屋〉以上の機能を有してはいない。【川北 稔】 植民地時代初期のアメリカでは,宿屋はオーディナリーordinaryと呼ばれていたが,独立革命前には,イギリスではもっぱら食事と酒を供する場所をさすタバーンtavernの語が宿屋の意味で定着した。インの語はあまりにもイギリス風であったため,使用が避けられたという話もある。…
※「タバーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」