世界大百科事典(旧版)内のタルイレの言及
【まんなおし】より
…こうした習慣は,一種の運なおしであり,全国どこの漁村でも存在するが,もともとは,女性が,大きな霊力をもってこれに関与していたことが知られる。例えば,宮城県の牡鹿・桃生(ものう)の地方では,マンナオシのことをタルイレと呼び,漁民の主婦たちが,お神酒とオハネ(紙につつんだ米)をもって氏神に参ったり,神社におこもりをしたりする。また,高知県土佐清水市は,カツオの一本釣漁で有名であるが,ここでも,不漁のときなど,漁民の主婦たちが神社にこもり,海に向かって着物の裾をまくったりして,大漁を祈願する。…
【結納】より
…儀礼への参加は女方の両親,親戚,近所の者と仲人などで,婚姻の社会的承認,女方との関係締結などの意義がみとめられる。婚約儀礼は,タルイレなどと呼ばれる酒肴をたずさえて行われる婚約内諾の儀礼を経て,次に結納の金品を納め婚約確定を行うという2段階をとる場合もある。婿入婚においては,このタルイレが婚姻成立儀礼であることが多く,以後金品を贈ることなく婚姻生活が開始された。…
※「タルイレ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」